年齢を重ねた今だからこそ深まる「読書の愉しみ」
若い頃の読書は、どこか「役に立つかどうか」がついてまわるものでした。仕事のための専門書、資格試験のためのテキスト、子育てのための育児書。必要に迫られて本を開くことが多く、純粋に「読みたいから読む」という感覚から、少し遠ざかっていた方も多いのではないでしょうか。
けれど今は、そうした肩書きや役割から少し離れて、本と向き合える時期に入りつつあります。誰かのためでも、何かのためでもなく、ただ自分の心が動かされるかどうかで一冊を選ぶ。そんな読書は、若い頃には味わえなかった贅沢な時間です。
物語の登場人物の人生に自分を重ねてみたり、著者のものの見方にふれてじっくり考えてみたり。同じ本でも、これまでの人生経験を積んだ今だからこそ、深く心に響く言葉があります。読書は、これからの時間を静かに、けれど確かに豊かにしてくれる愉しみのひとつなのです。
50代からの新しい読書スタイル(紙の本・電子書籍・聴く読書)
読書と聞くと、紙の本を思い浮かべる方が多いかもしれません。けれど今は、ご自身の暮らしや身体の状態に合わせて、いくつかのスタイルから選べる時代になっています。
ページをめくる心地よさ「紙の書籍」
紙の質感、ページをめくる音、本棚に並んだときの佇まい。紙の本には、電子にはない独特の心地よさがあります。栞をはさんで読み進める感覚や、読み終えた一冊が手元に残る満足感を大切にしたい方には、やはり紙の書籍がしっくりくるかもしれません。
文字の大きさを自由に変えられる「電子書籍(Kindleなど)」
「最近、細かい文字が読みづらくなってきた」と感じることが増えた方には、電子書籍がおすすめです。文字の大きさを自分の見やすいサイズに調整できるので、目への負担がぐっと軽くなります。何冊分もの本を一台の端末に収められるので、旅行や外出先に持っていくのも身軽です。
家事や散歩をしながら物語を愉しむ「聴く読書(Audibleなど)」
「読みたい本はあるけれど、なかなか時間がとれない」という方には、耳で聴く読書という選択肢もあります。家事をしながら、散歩をしながら、プロのナレーターが読み上げてくれる物語に耳を傾ける。目を使わずに楽しめるので、読書からしばらく離れていた方にも、あらためて物語の世界に親しむきっかけになります。
難しく考えない「大人の学び直し」の始め方
「学び直し」と聞くと、資格取得やスクールに通うことをイメージして、少し身構えてしまう方もいらっしゃるかもしれません。けれど、これからの学びに、そうした大きな目標は必ずしも必要ありません。
「これって、どういう仕組みなんだろう」「あの国の歴史、実はよく知らないな」。日々のふとした瞬間に浮かぶ小さな「知りたい」という気持ちこそが、何よりの学びの入り口です。誰かに評価されるためでも、資格を得るためでもなく、ただ自分の好奇心を満たすために知識を広げていく。そんな学びは、義務感からではなく、純粋な楽しさから続けられるものです。
興味の赴くままに一冊の本を手に取ってみる。それだけで、あなたの学び直しは、もう始まっています。
人生の後半にそっと寄り添う、おすすめの「本と出会う方法」
読書を暮らしに取り入れるコツは、頑張りすぎないことです。
まずは、1日10分だけ本を開く時間をつくってみましょう。寝る前のひととき、朝のコーヒーを飲みながらなど、生活の中の決まったタイミングに組み込むと、無理なく習慣になっていきます。
また、図書館を活用するのもおすすめです。気になった本を気軽に手に取れますし、返却期限があることが、かえって読書のリズムをつくってくれることもあります。たくさんの本を読みたい方には、月額の読み放題サービスや聴き放題サービスも便利です。気になった本をいくつも試しながら、自分の好みを見つけていく楽しみもあります。
1冊の本との出会いが、これからの毎日を彩ってくれる
一冊の本との出会いは、時に、思いがけない形でこれからの毎日を彩ってくれます。何気なく手に取った本の一節が、心にすとんと落ちてくることもあれば、物語の中の誰かの生き方が、そっと背中を押してくれることもあります。
大切なのは、たくさん読むことでも、難しい本に挑戦することでもありません。焦らず、自分のペースで、心が動く一冊に出会っていくこと。今日、書店や図書館に立ち寄ってみたら、あなたの心に寄り添ってくれる一冊が、そっと待っているかもしれません。


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